2009年10月5日月曜日

DESPERADO

今回は、SUPERNATURAL SEASON5スタート記念に、お話を書いてみました。

書き始めるきっかけになったのは、ストーリーのタイトルにも使わせていただいた、EAGLESの『DESPERADO』。日本では、『ならず者』というタイトルがついている名曲で、昨今ではキムタク主演のドラマ『華麗なる一族』の挿入歌として知られているそうです。

でもこの歌、私には、DEANとJOHN父ちゃんのテーマソングに聞こえます。だって、
こんな歌詞なんですもの!

さらに、ここをクリックすると、日本語の訳詞のはいったミュージッククリップに飛べます。 曲を知らない方は、まずぜひ、聴いてみてください。

この曲は、1973年にリリースされた、EAGLESの2枚目のアルバムのタイトル曲でした。1954年生まれのJOHN父ちゃんは、ナイーブな10代のころに何度も聴いているはずです。多分、MARYママとのデートの時にも聴いてたんじゃないのかなぁ…。でも多分その頃には、この歌詞の内容が身にしみてはいなかったし、よもや自分がそんな生き方をするなんて、考えてもいなかったと思います。


もしもこの曲が、DEANとSAM両方にとって、”父ちゃんの思い出を含んだ特別な曲”であったら?????
さらにある日突然、この曲が、二人の乗るインパラのカーラジオから流れてきたら?????

こんな「?」がふと頭に浮かび、気がつくと私は、お話を書いていました。


すべては、私にとっても久方ぶりだった、この大好きな曲との再会から始まったことです。


なので、お話の始めにはまず、
『DESPERADO』の歌詞付きミュージッククリップを貼りました。 よければ、”元祖DESPERADO・JOHN WINCHESTER”のフォトをクリックしてミュージッククリップに飛び、それを開いたまま、別ページでこのラボを開いて、インパラのなかのDEANとSAMを想像しつつ、彼らと同じように曲を聴きながら、読んでみてください。

さらに、書いているうちにどうしても、もう一曲音楽を加えたくなってしまい、JOHN父ちゃんとDEAN、そして不肖maxy
の最愛のバンドであるLED ZEPPELINの曲も、お話に挿入してしまいました。
曲のタイトルは、『WHEN THE LEVEE BREAKS』。このタイトル、SUPERNATURALシーズン4第21話にもそのまま使われてましたよね。


というわけでこの曲も、インパラのカーラジオから流れてくる設定です。

よろしければ、DEANが突然ラジオをつけるシーンで、インパラのフォトをクリックしてみてください。『WHEN THE LEEVEE BREAKS』のミュージックビデオに飛べます。兄弟とおんなじ曲を聴きながら読んでいただけたら幸いです。 なお、クリップ画面右隣の「詳細」の字をクリックすると、曲の歌詞が出てきます。

そしてもちろん、みなさんお待ちかねのキョウさんの素敵な挿絵もあります。今回は二人の絵を、最後のほうに置かせていただきました。 理由は、二人が、”そんなような顔”していたから。どうぞ、存分にお楽しみください。



SEASON5 本編のエピソードでは、DEANとSAMは、二人の間に横たわる深い溝を越えることができずに苦悩しています。 二人がこの辛い試練を乗り越え、以前にも増して強い絆で結ばれることを祈りつつ(そして、確信しつつ)、皆様にはこちらの空想ストリーも楽しんでいただけたら幸いです。






☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





DESPERADO



♪♪♪ 『DESPERADO』By EAGLES


JOHN WINCHESTER




「ねえ兄ちゃん、おなかでも痛いの?」

「……」

SAMは、突然に黙りこんだ兄の様子が気にかかっていた。

「兄ちゃん? 聞いてる?」

「……」

「…だから、さっきのタコスは食べないほうがいいって言ったのに…。変な味がするタコスは、食べちゃダメだよ。腐ったタコス食べて酷い目にあったことあるくせに、全く懲りてない…」

「SAM、お前、ひとりでブツブツ、何言ってんだ?」

「やっと口きいたと思ったら、これだもんな……何でもない」

「何でもないならどうして、腹痛いか、なんて聴くんだ?」

「聞こえてんなら、返事くらいしてよ。兄ちゃん、急に黙るから心配になったじゃない」

「何でもない」

「そう? さっきまで、パブでナンパした女の子がどんだけ自分にぞっこんだったかって、自慢しまくってたくせにさぁ…なのに…」

「妬いてんのかぁ、SAMMY?」

「違います! でも、急に黙るなんて変だよ。どうかしたの?」

「……」

「ほーら、まただ。一体なんなの、兄ちゃん?」

「……」

「僕には言えないこと?……」

「……」



DEANが黙りこくる時は、絶対に心の中に何か隠している。SAMはそれを、子供の頃からの呼吸で知っていた。


「あっ!」

「な、なんだよ、SAM、急にでかい声出して…」

「これだ。この歌!」

「歌がどうした?」

「図星でしょ、兄ちゃん?」

「だから、歌がなんなんだ?」

「兄ちゃん、これ、父ちゃんが良く聴いてた歌だよね? 確か、『DESPERADO』…」

「お前、覚えてたのか?」

「うん」

「でも、お前まだあの頃は…」

「小学生だったよ。だけど覚えてる。父ちゃん、一日中この曲のはいったカセットテープ聴いてたから…」

「EAGLESだ」

「うん。そう、EAGLES。僕も好きだった」

「ふぅ~ん、初耳だな」

「そう? …でもさあ、兄ちゃん」

「ん?」

「似てたよね?」

「何が?」

「この歌詞の男と、父ちゃんと…」

「……」

「人の言うことなんて全く聞かない、頑固な崖っぷち男で…」

「……」

「そろそろ潮時なのに、わかってない」

「……」

「だからかなあ…父ちゃん、いつも寂しそうだった。これ聴きながらさぁ…」

「……」

「僕、そんな父ちゃん見てると、いつも泣きたくなったんだ。兄ちゃんにからかわれるのがイヤで我慢してたけど、なんだか哀しくて…。いばりまくって命令する父ちゃんのほうがまだマシだったよ。思いっきり逆らえたもん」

「……」

「しょんぼりしてる父ちゃんは、小さく見えた…なんだか…。ねえ、兄ちゃんはどう思ってたの?」

「……」

「ねえ、話してよ、兄ちゃん!」

「SAM、俺は、この曲が大嫌いだった。今でも嫌いだ」

DEANが突然口を開き、怒りを含んだ抑揚のない声でSAMの言葉を制した。そして、想い出を噛みしめている弟をまるで無視し、問いかける間さえ与えず、乱暴にカーラジオのオフボタンを押した。

「あ、なんでラジオ消すの、兄ちゃん…」

「だから、この歌は嫌いだって言っただろ!」

「♪Desperado, why don't you come to your senses?You been out ridin' fences for so long now…」(DEAPERADO、なぜ目をさまさないの? ずいぶん長いこと塀の上にいるよね)

SAMは、兄に抗議するかのように、小さな声で歌いだした。

「やめろ、SAM!!!」

「Oh, you're a hard one.I know that you got your reasons. These things that are pleasin' you Can hurt you somehow…」 (ホントに、君は頑固者だね。君なりの理由があるだろうけど、楽しいことが君を傷つけることもあるんだよ)



「そんな歌、歌うのやめろよ。だいたいおまえ、音痴じゃねえか!」

SAMは兄の抵抗を軽くいなし、でも歌うのをやめて、再び兄に語りかけた。



「兄ちゃん、今じゃこれってまるで、僕たちのこと歌ってるみたいだよね?」

「……」

「笑っちゃうよね。ねえ、兄ちゃん、 そう思わない?」

「ったく、しつこいなお前……でも確かに、俺達もしょせん、崖っぷち男だ。じゃあ、こんどはどんな崖っぷちに立ちましょうかねぇ? そうだ、グランドキャニオンの絶壁はどうだ?」

「笑えないよ。そういう冗談」

「冗談じゃねえ」

「じゃあ、何?」

「俺たちの真実だ」

「そう?」

「違うか?」

「まあね…。…でもさぁ、僕たち…うん……間に合うと思う?…」

「何が?」

「…You better let somebody love you, before it's too late…」(愛してもらおうよ、手遅れにならないうちに…)


SAMがもう一度、小さな声で口ずさんだ。

「女のことかぁ? 心配ねえ。そんなの、掃いて捨てるほどいる」

「そういうんじゃなくて…」

「じゃあ、どういうんだ?」

「…僕たちも…」

「宝くじ当てて、大金持ち!」

「はぐらかさないでよ」

「はいはい。じゃあ、俺たちのやるべきことにケリつけたら、SAMMYちゃんは可愛いお嫁さんみつけて、丘の上の真白なお家に住んで下さいね」

「茶化さないで!」

「茶化してない。俺は本気だ」

「じゃあ、兄ちゃんはどうする気?」

「俺かぁ? 俺は、このまんま一生旅して暮らすかな。昔の女んとこ回るだけでも、10年はかかるかも。それにまだ、グランドキャニオン見てないしな」

「本気?」

「俺はいつも本気だ」

「…そう…」

もうこれ以上は、SAMをはぐらかせない。でも、ホントの気持ちなんて、口が裂けても言いたくない…。
そう思ったDEANは、ヴォリュームをフルにしてカーラジオのオンボタンを押した。


♪♪♪ 『When The Levee Breaks』By LED ZEPPELIN

IMPALA

スピーカーからは突然に、胸がはりさけそうに哀しげなブルースハープと、雷のようなドラミングが、大音響の飛び出してきた。SAMは椅子から飛び上がった。

「わ~、兄ちゃん、いきなりラジオつけないでよ。そのすごい音!」

「Wow、SAMMY 、ツイテルな。お前の大嫌いなZEPPELINだぞ!『When The Levee Breaks』だ!!!!!」

「…びっくりして、アタマぶつけちゃったじゃない、まったくもう…。鼓膜も破れそう…」

「ふん、軟弱者。ロックはなぁ、なんてったって、ZEPPELINだ」

「…吐きそうだ…」

「でしょうね。こんなの、お坊ちゃまのご趣味には合いませんよね。でも、父ちゃんは大好きだった。俺もだ」 

SAMは、半分耳をふさぎながら、大声で兄に抗議した。

「皮肉んないでよ、兄ちゃん。そういうことじゃなくて…」

「じゃあ、なんだ?」

DEANも、大声で言い返した。けれど、SAMには気づかれないように、そっと、カーラジオのヴォリュームを落とした

「ZEPPELINを聴いてた日の父ちゃんがいつもどんなだったか、兄ちゃんは覚えてないの?」

「また父ちゃんかよ? お前、今日はどうかしてるぞ、SAMMY…」

「ZEPPELIN聴くときの父ちゃんは、たいていはものすごく荒れてるか、すっかりふさぎこんでるかのどっちかだったじゃない? あの時の感じ…そばにいると胸を押さえ込まれるような父ちゃんの空気…。思い出すと、今でもなんだか…」

「……」

「…ねえ、兄ちゃん…」

「When the levee breaks I’ll have no place to stay.…堤防が壊れたらいるところがないってさ。こっちもやっぱり、崖っぷちだな」

「兄ちゃん」

「……」

「兄ちゃんってば!!!」

「…聞こえねえぞ…」

とうとうSAMは、DEANに向かって思い切り叫んだ。

「でも僕、ホントはもう、ZEPPELIN嫌いじゃないよ~!」

「……」

またもや聞こえないふりをするDEANを無視して、SAMは続けた。

「わかる気がするもん。父ちゃんのこと…」

「……」

「兄ちゃんのことも…」

DEANは、SAMの言葉をすっぱりと遮るかのように、低くかすれた声で歌いだした。

「Cryin wont help you, prayin wont do you no good,Now, cryin wont help you, prayin wont do you no good…」(泣き叫んでも、助けにはならない。今は祈っても、いいことなんてない…)

ZEPPELINのグルーヴが、2人を乗せたインパラを揺さぶった。助手席ではSAMが、半分顔をしかめながらも、肩を揺らしてリズムをとっている。

…SAMのヤツ、吐きそうだ、って言ったくせに…。


DEANは突然アクセルを踏み込んだ。インパラが野太いアルトの悲鳴をあげ、土埃を舞いあげて弾け飛んだ。

「兄ちゃん、飛ばしすぎだよ!と・ば・し・す・ぎ!」

「まだまだだ!!!!!」



…SAMMY、お前には決してわからないこともあるんだ。いや、お前は、知る必要なんてない…。

DEANは、SAMだけは決して、DESPARADEになんかしたくないと思った。




…もっとスピードあげるつもり? それとも、僕にはまだまだわかんないって意味? ZEPPELINのことも父ちゃんのことも。そして…。

尋ねようとしたけれど、SAMは言葉を飲み込んだ。

…兄ちゃん、多分僕も、ずっと旅すると思う。丘の上のおうちも、多分ないよ。だって僕もやっぱり、DESPERADO…。


DEANは、切なそうな目をしてアクセルを踏み込み続けた。

想い出と不安を断ち切るかのようなジェットコースタードライヴに身をまかせ、ひりひりするような痛みを共にを感じながら、SAMは本当の気持ちを呟いた。


「…だから僕、ずっと、兄ちゃんと一緒にいる…」


SAMの声は小さすぎて、インパラの悲鳴とROBERT PLANTのシャウトにかき消された。けれどもまるで弟の声が聞こえたかのように、DEANは横顔でかすかに微笑んだ。





♪おしまい





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2009年8月26日水曜日

Watermelonによせて

残暑も過ぎて、新秋になってしまったこの時期に、何ともマヌケなアップになってしまいましたが…、下のmaxyさんのSS『Watermelon』に捧げます




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Sam8歳、Dean12歳くらい?

わたし本当〜に、少年時のDeanとSamを描くのが
大好きです。

大人のDean&Samを描くのと比べてるわけではありません。
ただ色々と想像できちゃうから、楽しいんですよね。
今のところ、ここまで妄想を広げて楽しめるのは
唯一SPNだけ。

なのにいろいろ時間が足りない絵になってしまって、
maxyさん、ごめんなさい!(泣)



(8/28追記)※コメントにて訂正いただきました。
ディーン14歳→12歳くらい、です。
そこ(4歳差)間違えちゃだめでしょみたいな…

もう少し勘を取り戻して、出直してきます(がっくし)



キョウ

2009年8月10日月曜日

Watermelon

本来ならば、「残暑お見舞い申し上げます」と書きたいところです。
けれども今年は、梅雨もあけないうちに秋が来てしまいそう。

皆様、いかがお過ごしでしたか? 
すか~んと抜けるような青空と、ぎらぎらと照りつける太陽に文句言ってた去年が、
懐かしいです。
なので、「せめてDEANとSAMで、真夏気分を味わおう…」というのが、
今回のお話のテーマ。
登場するのは、少年のころ、多分、中1と小4くらいの、WINCHESTER兄弟。
夏休みのある日、昼下がりの出来事です。


実のところは、またもや約3か月も留守にしてしまったので、モモ社長にクビにされないうちに更新しようと、慌ててた。

これ(←)が、キレる寸前の、モモ社長です。

しゃ、社長、これから真面目にやります!あなたの素晴らしい出番も作りますから、どうぞ、今度ばかりはご勘弁…(平身低頭)!!!

そういえば去年の夏は、
コスプレの日本風兄弟ストーリーを、
ちゃんと2話も更新してたのでした…。これこれです)

しかも今回はキョウさんがご多忙で、
挿絵を描いていただく事が難しく、
ゆえに、へぼFicのみのアップになってしまいました。
キョウさんの絵を楽しみにしていた皆さん、ごめんなさい。
なので、キョウさんには、この下にアップした兄弟の絵を
貸していただいた次第
そして、少々タイムラグがありましたが、なんとキョウさんが、お忙しい中、
こちらのお話に挿絵を描いてくださいました(8/26)!!!
一方、お話の”始まり”にアップした、花を抱く兄弟のイラストは、
キョウさんが昨年描いてくださったも。
とかく、暗く重たいストーリーが多かったSUPERNATURALシーズン4。
どんよりしかけていた私たちに笑顔を取り戻させてくれた、
めっちゃ明るいDEANとSAMです。

加えて、今回の少年DEAN&SAMの挿絵が登場し、おかげでこのへっぽこFan Ficも、なんだかとっても素敵なお話に見えます(苦笑)。

現在はしっかりと成長した(成熟した?トウがたった?)兄弟の、幼い日。

ちょっと切ない思いつきストーリーですが、 SUPERNATURALシーズン5を待つ間の暇つぶしとして、お気に召したら幸いです。





maxy494








☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





WATERMELON





「スイカが食べたい!」

ソファに寝転んで『ナルニア国物語』を読んでいたSAMが、突然起き上がってDEANにせがんだ。

「ん?」

ベッドの上で車雑誌を読んでいたDEANは、できれば適当にあしらってしまいたいと思った。

「兄ちゃん、僕、スイカが食べたいの」

兄の本音を感じ取ったのか、SAMは本を閉じてコーヒーテーブルの上に置くと、DEANのベッドにやってきた。そして、ぴったりと体を押しつけて隣に座りこむと、気がつかないふりをしている兄の雑誌を押しのけ、真っ直ぐにその目を覗き込んだ。

「ん?なんだ、SAMMY? スイカ食べたい? なら、本を読み終わってからにしようぜ」

「もう、読みおわったもん」

「ホントか? 朝に読み始めたばっかりだろ? 早すぎるぞ、おまえ…」

「だってこの本、字おっきいし、簡単だもん」

「そうか…。でもなあ、今日は父ちゃんがいないんだぞ。だから、インパラがない…。車がないと、スイカ買いにはいけないな。だって、スイカは近くじゃ売ってない。…そうだ、アイスじゃだめか?」

「スイカがいい」

「ポットチップスも買ってやる!」

「スイカ!」

「アイスなら、向いのガソリンスタンドで買えるから、すぐ食べられるぞ。今日は特別、3個食べていいから…」

「兄ちゃん、僕は、スイカが食べたい!」

「なあ、SAMMY、兄ちゃんは、魔女でもライオンでもないんだから、魔法は使えな…」

皮肉を言いかけたDEANは、そのあとの言葉を飲み込んでタメ息をついた。SAMが口をへの字にして、ジッとDEANを見つめている。このまんまだと多分あと1分で、うるんだ瞳から大粒の涙がこぼれだす。

…こいつは、言い出したら聞かない。スイカって思ったら、絶対スイカでなきゃダメなんだ…。DEANは、心の奥でひそかにもう一度、大きなタメ息をついた。

「わかった。でもな、SAMMY、スイカ買うには、20分も歩かなきゃならないんだぞ。遠くのスーパーまで行かなきゃ買えない…」

「うん、いいよ。僕、歩いて買いに行く!」

「よし。じゃあ、兄ちゃんが今、スーパーの地図かいてやる。で、お金は、ここ。これ持って、一人で行って来い」

DEANは、モーテルのメモ用紙にスーパーの地図を描きだした。

「まず、大通りに出る。そしたらすぐに目の前の横断歩道を渡って、そこから数えて4つ目の信号を左に曲がる…。あとはひたすらまっすぐ行くんだ。そうすると、左側にショッピングモールがある。覚えてるだろ? 前に、父ちゃんがつれてってくれたところだ。お前がいま読んでる本を買った本屋がある。あのモールの中にスーパーもあったろ? あそこでなら、スイカも買えるぞ!」

「……」

「ん? どうした、SAM?」

「僕、兄ちゃんと行く」

「俺は行かない。忙しいんだ。宿題もあるし…」

「ウソ。兄ちゃん、忙しいはずないもん。さっき、電話で誰かと話してたでしょ? 今度の休みは宿題もチョロいし楽勝だ、って…」

「…で、でもな、こう見えても、兄ちゃんは結構忙しいんだ…。父ちゃんに頼まれた仕事もあるし。だから、なっ!」

SAMの手に財布と地図を握らせて、もう一度雑誌を手に取ろうとしたDEANは、いままさに、DEANが何よりも苦手とする事態が起ころうとしていることに、すぐさま気がついた。

…SAMMYが泣き出す…。

「…兄ちゃん、一緒に行ってよぉ…」

「…」

「ねえ兄ちゃん、一緒に行って!!!!! ねえってば!!!!!」

DEANは、今度はSAMにもはっきりと聞えるようにわざと大きくタメ息をつくと、ベッドの下からスニーカーを探し出して履き始めた。

…もう、一緒に行くしかない。

…このクソ暑い日に、歩いて買い物かよ! 午後2時だぞ! 一番暑い時間じゃないか。SAMのヤツ、いったい何考えてんだ? 焦げたフライパンみたいになってるアスファルトの道を、往復40分!? 考えただけで、うんざりだ。

「なあ、SAMMY、どうしても今行かなきゃダメか? 夜になったら行こうぜ。今は暑い…」

「暑いから、スイカが食べたいの!」

「兄ちゃんな、途中で熱射病になっちゃうかもしれないんだ。今日は疲れてるし…」

「それじゃあ、兄ちゃんに、僕の一番好きな帽子を貸してあげるよ。ニューヨークヤンキースの…」

SAMはにっこり笑うと、クローゼットの中から、SAMには少し大きい黒の野球帽を取り出し、DEANに手渡した。

「これ被って行けば絶対大丈夫だよ、兄ちゃん!」

DEANはしぶしぶSAMの手から帽子を受け取り、ツバを後ろにまわして被ると、サイドテーブルの上にあった鍵束を手に取った。

SAMは、嬉しそうに兄の手を引っ張って、体中の水分が一気に蒸発しそうな炎天下の中に飛び出した。





車のボンネットで目玉焼きが焼けそうな、灼熱の午後。こんな時に外を歩いているのは、DEANとSAMと、餌を探す働き蟻の群れだけ。


レッドソックスの赤い野球帽を被ったSAMだけが、はしゃいでいる。そのSAMに無理やりひっぱられるように、DEANはうんざりしながら歩きだした。

…ウォークマン、持ってくればよかった…。METALLICAZEPPELINを聴きながらだったら、少しは気が紛れるのに…。これ、拷問だぞ、まったく…。


「お~いSAMMY」

DEANは、目の前をスキップしながら歩くSAMに呼びかけた。

「なあに?」

「スイカ買ったら、お前が持つんだぞ。いいか?」

「うん、いいよ」

「重たいぞ」

「大丈夫」

「そうか。それじゃあ、約束だからな!」

「わかった!約束!」

DEANは、砂漠を進む瀕死のキャラバン隊にでもなった気分だった。



道の両脇に立つ家々の中には、庭の芝生の真ん中で水やり用のスプリンクラーが回っているところもあって、そんな家の前だけは少しだけ涼しく、お陰で少しは息をつけ、それだけが唯一の救いだった。

相変わらずSAMは先に立って、軽やかに歩いて行く。

そして、DEANがアスファルト砂漠で気を失いそうになる寸前、ゆらゆらと陽炎が立つ道の向こうに、オアシスのようなショッピングモールの緑色の屋根が見え始めた。

「兄ちゃん、着いた着いた! ここだよね!」

SAMは嬉しそうに、その”オアシス”に飛び込んで行った。






 
「君達が歩いて持って帰るのかい? …う~ん、それじゃあ、これがいいかな…」

スーパーにつくと、DEANは売り場にいた店員に頼んで、できるだけ小さなスイカを探してもらった。だが、一番小さいものでもゆうに7~8キロはある。SAMが一人で持つには、重すぎる…。 親切な店員は、夕方でよければ運んであげてもいいと提案してくれたのだが、SAMは決して首をたてに振らなかった。





…約束は約束だ。だけど…

「せっかく来たから、兄ちゃんはチップスとソーダも買っていく。だからSAM、スイカはお前が一人で持つんだぞ。…でも、ホントに一人で持てるか?」

DEANは心の中で、SAMが弱音を吐いてくれることを願いながら、もう一度たずねた。

「うん。大丈夫だよ。こんなの平気」

SAMは目を輝かせて何度も頷いた。いつもなら頷くSAMと一緒に揺れる明るいブラウンの巻き毛は、汗で湿った利発そうな額にぺったりと貼りついている。

…本人が大丈夫って言うんだから、まあ、いいか…。

DEANは仕方なく、約束の通り、SAMにスイカを持たせることにした。

当のSAMは、喜び勇んでいた。

「こんだけおっきいと、毎日食べてもなくなんないよね、兄ちゃん。父ちゃんが帰ってきても、一緒に食べられるね!」

SAMは、巨大なラグビーボールか、はたまた恐竜の卵のようなスイカをビニール袋に包み、それを抱えて嬉しそうに外に出た。


…これからさらに20分、あの炎熱地獄の中を、こんな巨大なスイカ抱えて帰るんだぞ! コトのしんどさを、こいつはちっとも理解していない…。

DEANは、不安になった。 けれどもそんなことはおくびにも出さず、SAMの背中に話しかけた。

「なあ、SAMMY、なんでスイカでなきゃいけないんだ? 兄ちゃんに、そのワケ教えてくれるか?」

さっきから、疑問に思っていたことだった。

「うん! この間兄ちゃん、ママが作ってくれたスイカパンチのこと話してくれたでしょ?」

SAMはくるりと振り返って、弾んだ声で答えた。

…そうか…。

SAMが唐突に、「ママって、どんなおやつ作ってくれたの?」なんて聞くから、こいつがまだ赤ちゃんの時に食べた、スイカパンチのこと話してやったんだっけ。でっかいスイカを半分に割って、中身をくり抜いて、そこにソーダ入れた、真っ赤なスイカパンチ…。

そういえば俺、あの時はママには内緒で、あのパンチをこっそりSAMMYに飲ませた! SAMMY、けっこう喜んで飲んでたから、次にはスープ用のでっかいスプーンにいっぱいにいれてやって…。でも、それを飲ませてやろうとしたら、こいつ、いきなりむせちゃって…。ママにはバレなかたけど…、あん時はひやひやもんだったな…。

それにしても、失敗だった。こいつに、あんなこと話すんじゃなかった。

最近SAMはしきりに、自分んが赤ん坊の時に亡くなってしまったママのことを知りたがった。そして、DEANがママの作ってくれたお菓子やサンドイッチのことを話すと、SAMは必ずそれを食べたがったし、ママと一緒に行った場所のことを話すと、必ず図書館にいってその場所のことを調べようと言い出した。

「じゃあなんで、今スイカが食べたいんだ?」

「…わかんない。今食べたいから今なの…」





けれどもSAMは、そのあとは額から汗を滴らせ、一言も口をきかなくなった。

はじめのうちは、「約束だから」と思って見て見ぬふりをしていたDEANも、やがて不安になってきた。
…このままじゃSAM、熱射病で倒れちまう!

「なあSAMMY、重たいだろ? ここからは、兄ちゃんがスイカ持ってやろうか?」

話しかけてもSAMは立ち止まらず、返事さえしない。

「それじゃあSAM、少し休んでいこう。それからまた歩こうぜ」

SAMは、この提案にはこくりと頷いた。

すかさずDEANはSAMの腕からスイカの袋をもぎ取るように奪い取り、約束の重労働に耐えた小さな弟を、路肩に小さな日陰を作ってくれている木の下に避難させた。SAMは、すでに肩で息をしている。

DEANは、さっき買ったソーダの2ℓボトルのキャップをあけると、無言でSAMに手渡した。ボトルを受け取ったSAMは、一気に半分を飲み干すと、大きく息をついた。

「おいしい~!」

「SAM、ここからは、俺がスイカ持ってやるよ」

ソーダの残りの半分を飲み干して、DEANが言った。モーテルまでは、あと約10分の道のり。すでにSAMは、いましがたシャワーから飛び出し来たかのように、汗でびしょぬれになっていた。

「約束だから、僕が持つ」

「でもSAMMY、おまえ…」

DEANが言い終らないうちに、SAMはいきなり立ち上がり、スイカを抱えて再び歩きだした。

…やっぱりコイツは、言い出したら聞かない。

DEANは、心配しながらSAMの後ろについて歩いていた。

…たぶん、かなり無理してるな。なにもスイカごときのことで、こんなに意地になんなくてもいいのに…。

その時だった。前を歩くSAMが、少しよろけてあやうく車道に飛び出しそうになった。DEANは反射的にSAMの身体とスイカを押さえ、支えながら言った。

「SAM、もういい。このスイカ、兄ちゃんに渡せ。兄ちゃんが持ってく」

「やだ。約束だもん」

「お前ひとりでここまで持って来たんだから、もういい…」

DEANは、SAMの腕からスイカを取ろうとして、袋の持ち手を握り、自分のほうにぐいと引き寄せた。すると同時にSAMが、それを自分のほうに引っ張り返した。

その瞬間突然、薄い袋が裂けた。

そしてスイカは、とっさに伸ばした二人の腕の間をするりと抜け、熱く乾ききったアスファルトの上で、見事なほどに潔く破裂した。

目がくらみそうな真夏の午後の日差しの中で、緑の玉が地面にたたきつけられ、真紅の果肉があたり一面に飛び散るその様子は、まるで、ホラー映画で人の頭がたたき割られる恐ろしいシーンを、スローモーションで再現しているかのように強烈だった。

二人はあっけにとられ、しばらく呆然とたたずんでした。

「兄ちゃんが、余計なお世話するからだろ! 僕ひとりで大丈夫だって言ったじゃないか!」

無残に割れて飛び散ったスイカを見つめていたSAMは、拳を握り締めてDEANにくってかかった。

DEANは、無言でスイカの残骸を見つめていた。

…そうだ、俺が余計なことしなければ…。

SAMは、突然DEANに殴りかかった。

「兄ちゃんのせいだぞ。兄ちゃんが余計なことばっかするから…。僕のスイカが割れちゃったじゃないか!」

DEANは、ただ黙ってSAMに胸を叩かれていた。

…確かに悪いのは俺だ。最初からあんな約束しなければ…。あんな意地悪しなければ…。SAMには無理だって、わかってたのに…。

SAMの瞳からは、悔しさのあまり、涙が吹きだした。

DEANの瞳からは、後悔のあまり涙がこぼれ落ちていた。

やがてSAMは突然、DEANの胸を叩くのをやめた。そして、道路の上に無残に飛び散ったスイカの破片を見つめながら、消え入りそうな声で呟いた。

「兄ちゃん、このスイカ、どうしよう?」

「…どうしようもねえだろう…」

二人はしばらくじっと、いまやただの残骸と化したスイカを見つめていた。

「ごめんな、SAMMY、もう帰ろう…」

汗と涙まみれの兄弟は、肩を落として再び歩み出した。

胃袋のあたりがキュッとねじれるような、どうしようもなくやるせない気持ちを一人で抱えきれなくなったSAMは、兄に体を預けるように寄り添った。するとDEANは、何も言わずに弟の肩を抱いた。

…僕が素直に兄ちゃんの言うこと聞けばよかったの。兄ちゃん、ごめん…。

SAMはすぐさま、兄が自分を許してくれていることを感じ取った。なのに、素直な言葉はくいしばった歯の壁に阻まれ、口から出ることができない。意地っ張りの弟はそんな自分が悲しくなって、いつの間にか大声をあげて泣きじゃくりだした。

弟をがっかりさせてしまった自分にどうしようもなく苛立ちながらも、兄は、泣きじゃくる弟の肩をしっかりと抱きしめながら歩きだした。

「なあ、SAMMY、モーテルの前のガソリンスタンドで、アイス買って帰ろうな。お前がまだママのお腹の中にいたとき、ママはいっつもチョコレートサンデー食べさせてくれたんだ。だから俺、そのたんびに、お腹の中のお前に話しかけてた。『ママのお腹の中の赤ちゃん、おっきくなったら、兄ちゃんと二人でチョコレートサンデー食べようね』って…」



SAMは、DEANの汗まみれのTシャツに涙でくしゃくしゃになった顔を押し付けたまま、こくんと頷いた。

本当は、DEANも涙を止められないでいた。けれども、巨大な乾燥機のような太陽が、汗と混じった涙を瞬時に乾かしてくれたおかげで、どうにかこうにか兄のメンツを保っていた。


誰一人歩いていない真夏の熱いフライパンのような道を、兄弟はまたもや二人きりで、寄り添いとぼとぼと歩きだした。



The End.

最後のシーンのBGMは、やっぱり、この曲でしょうか?


追記:なお、本分中のグループ名(METALLICA、ZEPPELIN)をクリックすると、暑さも吹っ飛ぶDEAN好みのギンギンロックが聴けます。よろしければ、どうぞ! さらに、過去のコスプレストーリーのリンクが違っていましたので、貼りなおしました。(ごめんなさい)



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2009年5月20日水曜日

Supernatural:3ヶ月ぶりです

お久しぶりです!キョウです。隣でモモが箱座りしてこちらを睨んでいます。やっと帰ってこれました。土下座しながら書いてます。片時もSupernatural及びDeanとSamを忘れたことはございません。それを証明する術はなにもありませんが…(泣)

S4フィナーレ直後にも関わらず、またもや空気読んでない投稿ですみません。元ネタはmaxyさんの「旅の途中のWinchester兄弟の生活について」考察より。やっと実現できました…。再開にあたって、どうしても描きたかったネタであります。生活ネタって、考えてると楽しいんですよねv

なお、ちょっとした私のミスでmaxyさんにご連絡した際に、このイラストをお見せしたところ、ご多忙にも関わらず、光の速さでShort Storyを寄せて下さいました。もう、Deanの口調が、あの声でそのまんま聞こえて来そう!本当にありがとうございます。なのに、ノロマな私は今日まで引っ張ってしまって…。maxyさん、並びにmaxyさんのSSを楽しみにしている皆様、お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。イラストの下にございますので、ぜひ併せてお読みになって下さい。

↓クリックで拡大表示されます

Take it Easy


「痛い!、痛いってば。兄ちゃん、そんなに引っ張らないでよ、そこだけハゲになっちゃうよぉ! それにさあ、そのハサミ、BOBBYのデスクの上で錆びてたハサミじゃないの? 全然切れないじゃん!」

「っるさい。黙ってろ。黙らねえと、耳切り落とすぞ」

「ああ、そのほうがいいかもね。そしたらこれからは僕、兄ちゃんの偉そうな命令も、うるさいロックも、聞かずにすむもん」

「ホントに切り落とすぞ」

「その前に暴れてやる」

「やれるもんならやってみろ…ほら、動くなって言ったろ!」

「あ〜、そんなとこ切らないでよ、兄ちゃん!」

「しかたねえだろ、お前がじっとしてねえからだぞ」

「ったく…。子供の頃からヤだったんだからね! 兄ちゃんの散髪、あの頃から全然上達してないし…。僕がクラス代表でスピーチすることになった時だって、カッコ良くしてやるからって、イガグリみたいな頭にしちゃったじゃない!!!!!」

「そんなことあったかぁ?」

「あった!!!!! とぼけないでよ。あの時、僕がみんなにどんだけ笑われたかわかる?」

「でも、インパクト強かったろ? だから、スピーチ大会で優勝できた…違うか?」

「優勝できたのは、僕の実力。兄ちゃんのセンスは、いまだに最悪。腕も良くなってないし…」

「俺のセンスとスキルに、ケチつけんのかぁ?」

「センス? スキル? これがぁ? このまんまじゃ僕、今度はホームレスのパンクロッカーだよ」

「モテナイオタクよりクールだろ?」

「どっちも最悪!」

「よしわかった。 それじゃ、いっそのこと、お前をBOBBYと同じヘアスタイルにしてやる」

「やめてよ兄ちゃん、やめて…わ〜!!!!!!」

「おい、SAMMY、逃げるなよ、右側、まだ切ってねえぞ」

「もういいよ、もうこのまんまでいいから!!!!!!」


草の匂いを含んだそよ風が頬に心地良い昼下がり。図体だけはおっきくなったけれど、10年前とちっとも変らない、兄弟の時間です。

by maxy494


*文中のリンク(兄弟の時間)から、maxyさんが選んで下さったイメージソングに飛べます。別窓開きますので、ご注意下さい。曲はEAGLESより「Take it Easy」。お日様輝くウエストコーストの匂いがします。この絵も、「ぽかぽか天気の下でくつろぐ兄弟」がテーマでしたので、どストライクな選曲に嬉しくなってしまいました。今一度、maxyさん、ありがとうございました。


Lighten up while you still can don't even try to understand
Just find a place to make your stand and take it easy

2009年2月24日火曜日

あっためております



こんにちは。お久しぶりです。キョウです。
猫でお茶を濁してみました。
全然更新できなくて、すみません(泣)
時間ドロボウにやられまくっています。
犯人は私だという噂もありますが…

もう少し、…もう少ししたら、色々気持ちにも整理がついて、落ち着いて何か描ける状態になると思います。maxyさん、もうすぐ新たに増えるかもしれないお友達さん、そしてここを覗いてくださっている皆さん、ほんとうにごめんなさい(しょんぼり)。


目には見えない会議室 (?)で、maxy494さんとキョウは日々、妄想竹を伸ばし続けております。が、花が咲くのはいつのことやら…。とりあえず、私は新学期あたりにまた浮上します。すっかり気まぐれ更新になってしまいましたが、今後ともよろしくお願いします!

のちほど、下のスペースに何かイラストが現れる予定です。
何が出るかは、お楽しみに。
↓↓↓↓↓


追記

本日ここに表示するつもりだったのですが、
とある出来事により、上のフォームでのアップとなりました。
誠に申し訳ありませんm(_ _)m
では、上の記事でまた…

(2009/5/20 キョウ)



See you around!


2009年1月3日土曜日

A Happy New Winchesters' Year !!!

新年早々、キョウさんの隠し部屋から、とびきりハンサムなDEANとSAMをこっそり連れ出しました。今回は、このWINCHESTER兄弟が、皆様に新年のご挨拶を申し上げます。




A HAPPY NEW WINCHESTERS' YEAR !!!



キョウさんはまだ、休暇中。そのスキに…。ふふふ…。

まったり更新のお話&イラストの部屋ですが、今年もどうぞよろしくお願い致します。


え?、上の二人、本物よりカッコいいかも…ですか? そうでしょう、そうでしょう…。なので、本人達も少々不安になっている様子です…(↓)。



…なわけないです、って! ジョーダンです、ジョーダン。
本年は、”お笑い系”の製作も目論んでおります故、ちょっとだけウォーミングアップを…。
はい、maxyにイタズラされたお二人さん、お疲れ様でした!


皆さま、どうぞ今年も、私達二人、キョウ&maxyの素敵なFan Art &へっぽこFan Fictionコンビと、一緒に愉しく遊んでやってください! 

遊んでもらえて、さらに皆さまがハッピーになってくださいましたら、二人とも狂喜乱舞して喜びます。さらに、もっと遊ぼうとしだすこともございますが、お邪魔な時には適当なところで捨て置いて下さい。


本年も、皆さまがたには、多分たくさんお世話になると思います。あらためまして、どうぞ、よろしくお願い致します♪


(maxy494)


2008年12月24日水曜日

Supernatural Fan Fiction 天使の記憶・そのⅣ Ask,and…


Merry Christmas!!!



皆さま、まずはズズ~っとスクロールしてこのページを通り過ぎ、キョウさんのクリスマスイラストを御堪能ください。そして、余裕があれば、こちらにお戻りくださいね。


時間のたつのは、本当に早いものです。キョウさんの助けをお借りしてこの空間をオープンしてから、もう1年という時間が過ぎてしまいました。

そして今日は、ここで迎える、2回目のクリスマスイヴ。

キョウさんとmaxyの初めての共作であるFan Fictin、「天使の記憶」では、この日の日没から真夜中までの間だけ、DEANとSAMのふたリが、自分達が天使だったことを思い出すのです。

キョウさんが今回アップしてくださったの麗しいクリスマス・イラストには、DEANとSAMを見守る天界の友達・ANGELAも、一年ぶりの美しい姿をあらわしてくれています。キョウさんがつれてきてくれたおかげで、やっと会えたANGELA…。初めてこのイラストを目にしたとき、なんだか旧知の友人にやっと会えたような気持ちになって、不覚にも涙がこぼれました。

そして昨夜、やっと天使のお許しが出たようで、少しだけお話を書くことができました。「天使の記憶」の、第4話です。

書きあげた順番では、昨年の3部作に続く第4話。けれども、お話の順番としては、昨年の3部作よりも、時をさかのぼります。どうしても、まっすぐなDEANと純粋なSAMと優しいANGELAを描きたくて、書いてしまいました。

そしてこのお話も、キョウさんの絵にインスパイアされたことは、言うまでもありません。キョウさん、読んで下さっている皆さん、そして、DEANとSAMとANGELA、さらにすべての天界の住人達とイエス様に、感謝をこめてアップします。

そう、昨年のクリスマスイヴ、二人はやっと、自分達が天使だったことを思い出したのでしたよね(↓)…。 あの時はまさか、SUPERNATURAL本篇に天使が登場するなんて、想像すらしませんでした…。


もしも、昨年の3部作をお読みになっていらっしゃらず、しかも興味を持ってくださるかたがいらっしゃいましたら、お話は、 (Ⅰ)ここと、 (Ⅱ)ここと、 (Ⅲ)ここに、あります。


愉しんでいただけたら、幸いです。

なお、これらのお話はSUPERNATURALをベースにしていますが、内容はすべてmaxy494の空想によるもので、本篇に関連のある部分もありますが、基本的には本篇とは一切関係ございません。なので、この類のFan Fictionがお嫌いな方は、必ずここで引き返してください。よろしくお願い致します。



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天使の記憶・そのⅣ Ask, and…





西の地平に沈みつつある太陽が最後の力をふりしぼるかのように光を放ち、ちぎれた綿菓子のような紅色の雲の端を金色に縁取っていた。

まるで、神の御国の扉が開いたかのような夕暮れ。道行く人々はみな、息をのんで空を見上げていた。けれども、その雲のひとつに、悩める3人の天使が座り込んでタメ息をついていたことには、誰ひとり気がついていないようだった。


3人の名前は、DEANに SAMにANGELA。正確に言えば、まだ一人前にはなっていない見習い天使で、今日もついさっきまで「これから地上で起こることと、天使の仕事」という勉強をしてきたばかり。そして、この仲良しの3人は、少し遊んでから一緒に宿題を片付けるつもりで、まずは、居心地の良さそうな雲をみつけて座りこんだところだった。

宿題の内容は、「アポカリプス時代における天使の仕事について」。各々が独自のプランを作って、大天使ミカエルに提出することになっていた。

「DEAN、一体どうしたの? 今日は、ロッキー山脈の上を飛んでからマウナ・ケア山に寄り道するって、張り切ってたじゃない? 宿題はそれから片付ける、って…?」

普段なら、授業が終わるとすぐさま勝手に飛行訓練を始める陽気なDEANが、今日に限って浮かない顔で座り込んでいる。ANGELAは、心配そうにDEANの顔を覗き込みながら尋ねた。


「…俺、どうしても納得できねえ…」

しばらくしてから、DEANは独り言のように呟いた。

「なあ、アポカリプスって、一体なんなんだ?」

「さっきの講義で聞いたじゃない、DEAN。黙示録に記されてる、世界の終末。そのあと、神の御国があらわれて…」

真面目なSAMが、記憶をたどりながら復習しようとしはじめた。

「そんな理屈はわかってる。俺が聞きたいのは、なんでそんなもんがこれから地上に起こる必要があるのか、ってことだ」

DEANは、SAMの復習を遮った。

「DEANさあ、それって、神様が決めたって習ったじゃない? ねえANGELA、そうだよね?」

SAMは、ANGELAに同意を求めた。が、彼女も一瞬言い淀んだ。

「…SAM…確かにそう聞いたけど、私もそう思うもん…」

「そう思うって、どう思うの?」

「DEANとおんなじ。アポカリプスって、納得できない…。だって、どうしてわざわざすごく酷いことを起こしてからでないと、地上には神様の国が作れないの? 人はみんな、神の国を待ってるのに…。SAM、あなたは、こんな酷い話、信じられるの?」

「…あ…うん……。…ホントは僕も…、なんか疑問……」

「だろ? 矛盾してんだろSAM? 俺達は一番最初に、神様ってのは愛で光だって習ったよな? しかも神様は、地上に生きる人間に自由意思を与えた…。だから、俺達天使も、みだりに人間に介入しちゃいけねえ、って… そう習ったよな? おれ、ここまでのことには疑問なんてねえぞ」

「…うん…」

神は光…。まるでそんなDEANの言葉を聞いていたかのように、黄金色に染まる空に浮かぶ雲の間から、突然、光があふれ出て、3人の頬を照らした。


DEANは、少し眩しそうにまたたいてから話を続けた。

「でもな、なら、たとえアポカリプスが神様の計画であったとしても、最終的に人間が同意しないなら、それが地上で現実になることはない…。そういうことにならねえか?」

「…うん、…確かに…理論的には…」

SAMは、よくよく考えてからDEANに同意した。DEANの言うことに、いまのところ矛盾はない。

「そんなら、アポカリプスにある末日の悲劇なんて、人間が信じなきゃそれで終わりだろ?」

「…たぶん…」

「なあ、ANGELAは、どう思う?」

「うん。そうなのよね。DEANの言うとおりだわ…」

「…でもなあ…」

「うん。でも…」

「…そうよね…。でも…」

3人は再び、黙りこくった。


太陽が地平線に沈むと、空は少しずつプルシャンブルーの薄闇に覆われていって、そこにはひとつ、またひとつと、星が瞬き始めた。




 
「俺、やっぱ行ってくる」

DEANが突然、純白の羽根をぷるぷるっと震わせながら立ち上がった。

「どこに行くの、DEAN? ロッキー山脈? それとも、またヒマラヤ?」

こんな話をするよりも、DEANと一緒に飛びたくてうずうずしていたSAMが、DEANを真似て羽根を震わせながら嬉しそうに尋ねた。けれどもDEANは首を横に振って、ひとさし指を雲の下に向けた。

「…下…」

SAMとANGELAは、雲の上から身を乗り出して、DEAN指さす方向をのぞいてみた。するとそのはるか彼方には、ちりばめられた宝石のような光が瞬いている。

「…きれい…」

ANGELAが呟いた。

「だろ?」

「地上にも星があるのよね」

「うん、そうらしい…。俺、あんなきれいなところ、アポカリプスでぶっ壊すなんてイヤだな」

「でも、DEAN…」

SAMは目を丸くしてDEANを見つめた。

DEANは、天使学校の不良学生だ。決して真面目に授業をうけているとは思えないし、試験の時はいつだって、SAMにひっついてカンニングしている。飛行訓練以外の成績は、落第すれすれ。それなのに…。

「宿題は、これから地上に起こることを踏まえ、天使として自分には何ができるのか?、っていうことを考えるんだったよな?」

「うん、そうだよ」

「そうよ。だから、それを考えにここに来たんじゃない、3人で…」

DEANは、海の底のような深いブルーに変わった闇の中、太陽にかわって顔を出した銀色の月をまっすぐに見つめて話を続けた。

「地上の人々が幸せになれるように良く考えてプランを立てて、それを実行する…。それが、宿題の次に予定されてる試験のテーマだったよな?」

「そうだけど…DEAN、…なに考えてるの?」

DEANは再び小さく軽やかに羽ばたいて、飛行の準備をしながら言った。

「俺、降りて、人間に話して来る。アポカリプスってのは、神様の下す罰じゃねえ。だから、よく考えろ、って…」

「無茶よ、DEAN。あなたの言ってることは正当だけど、ほとんどの人間は、自分達は神様に見放されてて、神様に罰せられるって思いこんでるわ」

ANGELAも、DEANのこの計画には同意できかねていた。

「それにこの宿題、実行するのはプランができてから。しかも、それには大天使ミカエルやイエス様に許可がないと…」

「そうだよ、DEAN。許可なしで勝手に飛び出したら、退学…どころじゃすまないかも…」

「そうだな…でも俺、下で誰かが呼んでる気がする…」

「誰が呼んでるの?」

「行ってみねえと、わかんねえ…。でも、誰かがものすごく強く俺を呼んでるって感じる。…ん?…“Ask, and it shall be given to you.”」

「え?、なに?」

「”求めよ、さらば与えられん…”。聞こえる…。誰かが、下で祈ってる。…これ、新約聖書の言葉だろ? マタイのおっさんの書いた章。この言葉から考えれば、求められたら行くのが天使の仕事……違うか?」

「僕たち、まだ正式には天使じゃないよ…」

「正式だろうがなかろうが、とにかく俺達は天使だ。だから俺、ひとまず行ってくる。呼ばれてるし。それに、偵察も。下の様子も知らねえで、プランなんか立てられねえだろ?すぐに帰ってくるから」

「でもDEAN、何かあったらどうやって伝えたらいいの?」

不安そうにANGELAが尋ねた。

「ん? いつもの通りの、テレパシー!」

「地上とここでは、勝手がちがうわ。だから、それが通じないこともあると思う…」

「じゃあ、合言葉はどうだ?」

「合言葉?」

「うん。俺、いま最高なやつ思いついた」

「どんな…?」

SAMとANGELAは、けげんな顔でDEANを見つめた。

「”天使はみんな、神様のパシリ”…って。どうだ?」

「だっさ~い!!!!!」

「ケイハク!!!!!」

「悪かったな。でもこれ、確かに事実だろ?」

「……」

SAMとANGELAがあからさまにDEANを無視したので、DEANは羽根のコンディションを確かめるのに集中するふりをして、誤魔化した。そして、飛ぶ方向と風の向きを確認するために、雲のヘリから乗り出してもう一度下を眺め渡した。




その時突然、SAMが口を開いた。

「ねえ、DEAN、地上には僕が行ってくる」

「え?」

DEANとANGELAは、目を見開いた。

「僕が、見てくる。僕、勉強ばっかりしてて、DEANみたいによく考えたことなかったし…。地上の人間たちがアポカリプスのことをどう思ってるのか、調べたい。そうすれば、僕たちが天使として何したらいいか、もっとわかるよね? その点では、DEANの言うとおりだと思う…」

まだDEANほど上手に飛べないSAMは、雲の上で何度も小さくジャンプしながら、念いりに羽根を振るわせて飛行の準備を始めた。

これまでずっと、遠くに行く時には、DEANがSAMに寄り添って飛ぶのが常だった。SAMが風に飛ばされたり方向を見失なったりしないように、DEANはいつもぴったりとSAMに寄り添い、その羽根で彼を守っていたのだ。

そんなSAMが一人で地上まで飛ぶなんて、全く無理だ。たぶん途中で、どっかに落ちる。さもなければ、でっかい渡り鳥に間違われて、人間に撃ち落とされる。そう。地上には、人間が飛んでいる鳥に鉛の玉を当てて撃ち落とすという、信じられないほど野蛮で残酷な遊びがあるらしいから…。危険すぎる!DEANは心配でたまらなくなった。

「だめよ、SAM。あなただって、だめ。ちゃんと手続き踏まないと…」

もちろん、ANGELAもSAMを止めた。

「でも、僕も行かなきゃいけない気がするの。だから…。それに、僕なら大天使にみつかっても、たぶんまだ、退学にはならないし…。ここから下を見てたら、間違って落ちちゃった…そう言い訳すれば…」

SAMは、少し不安げだけれど、ゆっくりと確かな足取りで、いまは月明かりに照らされて銀色に光る雲の端まで歩いて行った。

「だめだ、SAM。それは俺の仕事だから。それにお前、飛ぶのメチャ下手…」

DEANがうしろから、SAMの羽根を引っ張って止めようとしたその時だった。

「わあああああああああ~~~~~~」

SAMは足を踏み外し、羽根を開く間もなく、雲の上から地上に向かって、まっさかさまに落ちて行った。

「SAAAAAAAAAAM!!!!!!!」

DEANは慌てふためいた。SAM が、ホントに落ちた!!!!!

「あ、だめよ、DEAN!慌てちゃダメ!こんな時には必ず、天の衛兵たちが気がついてSAMを助けるから。事故だから。でも、あなたが行ったら規則違反…!」

「SAMを助ける!」

叫びながら止めるANGELAの腕をふりほどいて、DEANは瞬時に羽根を開き、雲の端から蒼い闇にダイヴした。

「いま行くからな、SAAAAM!」




2人は突然に雲から飛び降りて行って、ANGELAの目の前から消えた。 一人はアクシデント、一人はレスキュー…。

そして、突然に訪れた底なしの静けさと、言いようのない寂しさ。青ざめた頬を月明かりに照らされたANGELAは、ただそこに立ち尽くしていた。

「いったい何がどうなったの?????  私達3人は、一度だって離れたことなかったのに…」

ANGELAが嘆きの言葉を発したとたん、彼女の目の前に、一枚の真白な羽根がゆらゆらと舞い降りてきた。それは、SAMが足を滑らせた時に、SAMを助けようとしたDEANがとっさにつかんだSAMの背中の羽根…。

ANGELAは両手をさしだしてその羽根を受けとり、しばらくの間眺めていた。 そして、それを胸に抱きしめると、居なくなった二人に問いかけた。

「一体私は、これからどうしたらいいの? 大天使やイエス様に、どうお話すればいいの? 」

神様は光で愛で全知全能。だから、いま起こった事故のこともすでにご存じに違いない。二人が決して邪悪な心でこんな事故を起こしたわけではないことも、すでにご存じだろう。それに、必ず許してくださる。けれども、ルール破りについては、話が別だ。必ず報告をしなくてはならないし…。

ANGELAは、途方にくれながらタメ息をついた。 そして、虚空に向かって叫んだ。

「酷いわよ、DEANもSAMも! あたしだけおいて行っちゃうなんて! 二人とも、だいっきらい!」




…続く


お話の中に出てくることやものに関するトリビアは、追ってここに追記します。またさらに、各フォトに音楽を貼るつもりですが、本日はタイムアップ。お許しあれ。

皆さま、どうぞ素敵なクリスマスをお迎えください♪


・追記:フォトのいくつかに、音楽クリップを貼りました。
お話が始まってすぐのところにある夕暮れの雲のフォトには、映画「LOAD OF THE RING」の主題歌にもなったENYAの「MAY IT BE」。クリップには、歌詞もついています。 この曲、私には、まるでDEANとSAMへの応援歌のように聞こえます。
また、蒼い闇に浮かぶ夜景のフォトには、JONI MITCHELの「SHINE」。「さあ、光をともそう」という曲。歌詞は、ここです。
お話の終り近くの月の写真には、ドビュッシー(DEBBUSY)の「月の光(CLAIR DE LUNE)」。 澄み切った月の光がそのまま音になったかのような、美しさです。
それぞれのフォトをクリックすると、BGMとして選んだ音楽クリップに飛べます。興味あるかたは聞いてください。音楽を聴きながら読んでいただくのも、一興かと…。(12/25)