昨日、3月1日は、JENSEN ACKLESの30回目のお誕生日でした。お誕生日に合わせて、ジェンセンが演じてきたキャラクターについてまとめてみようと思い立ち、一週間くらい前から、『DAYS OF OUR LIVES』 の頃の、まだ少年の面影を残すJENSENの画像や動画を見ながら、資料を探していました。そうしたら急に、少年のDEANとSAMのお話を書きたくなりました。、春にふさわしく、兄弟が少しだけ、女の子のことで悩むお話。 半月ほど遅れていますが、バレンタインデーが絡んだ、出来事です。 

日本とは違い、兄弟の住むアメリカでは、「バレンタインデーには、女の子が男の子にチョコレートをあげる」などというの習慣はないと思います。フィクションなので、大目に見てください…。
「DEANとSAMが、女の子から、バレンタインの告白されたら…?」 そんなことを考えていたら、浮かんできたお話…。
ぜひ、会って帰ってくださいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
The Rain Song そのⅠ: Valentine Day
その日DEANは、SAMより早く、帰ってきていた。ハイスクールは試験期間なので、学校はいつもより早く終わる。
試験の成績なんぞ全く気にしていないし、大学に進学する気もないDEANにとっては、この時期は単なる休暇と同じだ。ただ、いつもデートをする何人かの女の子達までが一生懸命勉強しているし、悪童仲間も一応は勉強している様子なので、遊び相手に不自由する。これが唯一の問題点で、こういう時期のDEANはたいてい、放課後の時間を持て余していた。
けれどもDEANは、一人でいるのが嫌いではなかった。
特に、手がかかるし神経質だし、いい加減ガキでもないのにぐずると手に負えないし、そのくせに優等生の弟、SAMMYが帰って来ないうちは、一人きりの時間が持てる。それはまさに、至福の時だった。大好きな音楽で部屋を満たし、やりたい放題できる時間!
そして、いままさにその至福の時を謳歌しようと、DEANは、レッド・ツェッペリンの「聖なる館」のテープをカセットデッキに入れてボリュームをあげ、女の子達からもらったばかりのバレンタインのチョコレートを口いっぱいに詰め込み、車雑誌を片手にソファに寝転んだ。スピーカーからは、 『永遠の詩』 が、流れ出して…。
ちょうどその時、ドアが開いてSAMが帰って来た。今日は、何かあったらしい。「ただいま」の声がない。DEANも、口の中にはチョコが詰まっているし、至福の時が始まったその瞬間に、それが終わってしまったことに落胆していて、SAMに「お帰り」の言葉をかけることができなかった。
こういう時いつもなら、SAMは額にタテ皺をよせて、「ハフッ」と聞こえよがしのため息をつく。DEANの聴いている音楽がキライ、という合図だ。「や・か・ま・し・い・よ」の意味もある。するとDEANはたいてい、わざわざデッキのボリュームをめいっぱいあげて、意地悪をする。SAMは、思い切りふくれ面をしてDEANを睨めつけるのが常だが、あきらめると決めた時には、すぐに耳栓をつけて宿題にとりかかる。DEANの意地悪を無視する作戦だ。DEANは、勉強しているSAMのことは邪魔しない。だが、反撃すると決めた日、さらに、機嫌の悪い日のSAMは、必ず返り討ちに合うことも承知のうえで、無謀にもDEANに飛びかかる。だが、喧嘩は、DEANの得意分野だ…。
しかし、今日のSAMは、そのどちらでもない。とにかく様子が変だ。
SAMが大嫌いなはずのツェッペリン。どすんばたんのドラム。じゃかじゃかのギター。それに、叫び声の歌(彼の耳には、すべてがそのように聴こえるらしい)が合わさった、最悪の音楽が、いままさにフルボリュームでかかっている。部屋の中はまさに、SAMにとっては雑音の洪水だ。なのに今日のSAMは何の抵抗も示さず、DEANが寝転んでいるソファの前の床にドサッと音をたてて座り込むと、そのままカバンを放り出した。
めずらしくDEANが、DEANには最高に魅力的だがSAMには騒音にしか聴こえない音楽のテープを途中で止めてから、SAMに話しかけた。
「SAMMY、どうかしたか?」
「……」
「学校で、何か、あったのか?」
「……」
「そうだ、チョコ、食うか? 俺、もらったチョコが多すぎて食いきれそうにねえ。だから、いっしょに食おうぜ」
「…僕も、あるもん…」
「…ん?…」
「僕も、今日もらったもん。バレンタインのチョコ…」
これを聞いて、DEANはやおらソファから起きあがった。
「なんだ? SAMMY、やっとチョコもらったのか? どんな子からだ? 相手、同級生か? 可愛いか? ブロンドか? それとも、ブルーネットか? 目の色は? スタイルいいか? お前、いつか、グリーンの目の子を好きだって言ってたよな?…あの時の子か?」
「DEAN、そんなに一度に聞かれても、僕、答えられないよ」
SAMが バレンタインデイの“告白チョコ”を初めてもらったことを知るや否や、DEANは大喜びではしゃぎ始めた。逆に、SAMは、めんくらっていた。
「あ、そうだな。ごめん、SAMMY…」
SAMは、放り出したカバンを引き寄せた。そしてその中を探ると、うすいピンク地に赤の水玉模様の紙でラッピングされ、緑色のリボンをかけた箱を取り出し、DEANの目の前にさしだした。両手を揃えると、ちょうどその上に載る大きさの、可愛らしい箱だった。
「開けてみろよ、SAMMY!」
どうしたら良いのかわからないらしく、ただぼんやりしているSAMを、DEANが促した。
SAMが、リボンをほどき包み紙を丁寧にはずして箱を開けると、そこには少しいびつなハートの形をした、手作りの大きなチョコレートクッキーが入っていた。天使がプリントされた、ちいさなカードも添えられている。そのカードを無視しているSAMを見て、DEANがまた、せっついた。
「SAMMY、そのカード、なんて書いてある?」
SAMは、少しかったるそうにカードを開いた。
「…うんと…、親愛なるSAM。バレンタインの日に、あなたにこれをあげたくて、一生懸命作ったの……」
「それから?」
「もう、いいよ」
「良かないだろう。続けろよ」
「ヤダ」
「なんでだ? 何か、俺に知られたら困るような事でも書いてあるのか?」
「そんなことないけど、ヤダ! …兄ちゃんにはカンケーないだろ?」
DEANは、突然SAMの背後から手を伸ばし、手の中にあったカードをすばやくひったくった。
「やめてよ、兄ちゃん!」
カードを取り戻そうとして組みついてくる弟をうまく交わしながら、DEANが文面の続きを読んだ。
「…もしイヤじゃなかったら、明日の朝、一緒に学校に行かない? 公園の入り口で、朝7時半に待って…」
「やめてってば、兄ちゃん! もういいから!」
SAMは、全力でDEANを押し倒そうとした。DEANは、あやうくバランスを失いかけて倒れこみそうになったが、すんでのところで持ちこたえ、反撃に出ようと身構えた。が、SAMがあまりにもムキになって向かってくるので、急に気持ちがしらけてまい、SAMを押して防御していたその腕の力を、わざとを緩めた。

やっとカードを奪い返したSAMは、肩で息をしながら、顔を真っ赤にしてDEANを睨みつけた。そして、カードをジーンズのポケットにねじ込むと、黙りこくった。
しかたなく、DEANは、カセットデッキのボタンを押して、再びツェッペリンの続きを聴き始めた。
ただし、SAMの、今にも破裂しそうなふくれ面を見て、そのボリュームだけは小さめにセットし直した。スピーカーからは、『レインソング』が流れ出した。美しいメロディの、抒情詩。この曲なら、たとえ大きな音でも、たぶんSAMを刺激することはないだろう…。
DEANは、再び口いっぱいにチョコを詰め込んでソファに寝転び、雑誌を開いて無関心を装いつつ、SAMの様子を気にしていた。
と、突然SAMがDEANのほうに向き直って言った。
「兄ちゃん、Tシャツ貸してよ」
「…ん…なんでだ? Tシャツなんて、お前いくらでも持ってんだろ?」
DEANは、口の中のチョコを慌てて飲みこんで、モゴモゴしながら少しだけ意地悪く答えた。
「GAPの黒いTシャツは持ってないもん」
SAMは、マジメに答えた。
「GAPの黒いTシャツだぁ? なんだそれ? なんか特別なことあんのか、あのTシャツ?」
「…オトナっぽい…」
真顔で言うSAMに、DEANは吹きだした。
「SAMMY、なんで、オトナっぽいTシャツが必要なんだ?」
うすうす気がついているのに、DEANは笑いをかみ殺しながら、わざとその理由を尋ねた。
「……」
SAMは、耳まで真っ赤にしてうつむいたままで、答えようとしない。
「明日、一緒に学校に行くことにしたのか? 彼女と…」
SAMは、黙ったままこっくり頷いた。
「よ~し、わかった。貸してやる。そうだ、SAMMY、なんなら一緒に、俺のお気に入りの黒いトランクスも貸してやろうか? GAPのだぞ…」
「いらない! Tシャツだけでいい!」
「遠慮しなくていいんだぞ、SAMMY。初デートなんだろ? これなら、下着までカンペキ! どうだ?」
DEANは、ここぞとばかりにSAMをからかい始めた。
DEANは、ここぞとばかりにSAMをからかい始めた。
「いらないったら、い・ら・な・い! お断り! DEANのトランクスなんか借りて履いたら、腐っちゃいそうだ!」
「へん、そうかよ! お前のなんか、腐って落っこっちゃえばいい!」
「うるさいなあ、もう。兄ちゃん、余計なお世話しないでよ!」
「なんだよぉ、人がせっかく親切に言ってやってるのに…。お前、性格悪いぞ!」
「それ、親切じゃないもん。僕のこと、バカにしてる!」
SAMの洞察は、いつも実のスルドイ。今回も言い当てられたDEANは、少し悔しくなって捨て台詞を吐いた。
「そういうふうにとんがってると、せっかくの彼女にも、すぐ嫌われるぞ!」
「…いいもん…別に……僕…」
SAMが少しぐずり出したのを見て、DEANは少々言いすぎたことに気がついた
「ごめん、SAMMY。兄ちゃんが悪かった。そういう意味じゃなくて…」
ならばどういう意味なのか、DEAN本人も良くわからなかったが、とにかくDEANは、ほんの冗談のつもりでからかったにせよ、SAMを傷つけてしまったことに後悔した。
しばしの間、二人の間には、沈黙がの壁が立ちはだかった。
けれどもその気まずさも、ほんの数分のことだった。
「なあ、SAMMY…」
「ねえ、兄ちゃん…」
兄弟は同時に顔をあげ、呼びかけあった。
「明日、いつもみたいに、俺と一緒に学校に行くか?」
「明日、いつもみたいに、僕と一緒に学校に行って!」
…そういえば俺もあの時、彼女にコドモ扱いされたくなくて、父ちゃんの迷彩柄のTシャツ借りて着て行ったっけ。無断借用だったけど。まああん時は、父ちゃんは狩りに出てて、許可もらうにしても、どこに電話すればいいのかわからなかったんだから、仕方がねえよな…。
DEANは、ジュニアハイスクールに通っていた7年生の時の、初めてデートを思い出した。相手は、3歳年上。ブルーネットの長い髪をポニーテールに束ね、乗馬が得意でエクストリームのファンの、サンドラ・ブロックに似た、エキセントリックで大人びた女の子だった。
きっとSAMも、あの時の自分と同じに違いない…。嬉しいけれど、ものすごく不安で、自分自身に全く自信が持てなくて、でもそんなことは誰にも知られたくなくて…とりわけ相手の女の子には…。
初めてのデートで失敗しない方法を誰にも教えてもらえなかったDEANは、彼女との初デートで、あえなく玉砕した。
二人で手をつないで、エクストリームをコピーする地元の人気バンドのライブに出かけたまでは良かったのだが、彼女の友達の女の子達にコドモだと思われたくなくて、ビールをがぶ飲みしたのがいけなかった。急に目がまわり周囲の音が遠のいたかと思うと、DEANはその場で意識を失った。そこからはもう、何も覚えていない。そして3時間後、ライブハウスの一番奥の席の、彼女の膝の上で、突然目が覚めた。もう、とうにライブは終わっていて、バンドの連中も、店の中でビールを飲んでいる。DEANは、彼女と彼女の友人たちに、手厚く介抱されていたらしい…。
「気がついたのね、良かった!」と、彼女はママみたいに優しく微笑んで、DEANのおでこにキスしてくれた。次の瞬間、DEANは、嬉しさと恥ずかしさと情けなさで、その日彼女が着ていたシャツみたいに、真っ赤になった。そして結局それからのDEANは、彼女とその友人たちに「ベビーちゃん」と呼ばれ、思い切り赤ちゃん扱いされることになった…。
しかも皮肉なことに、そのおかげで、DEANはますます人気者になった。ハイスクールのおねーさんとの初デートで大人ぶって、大失敗をした年下の美少年は、おねーさん達の母性本能に火をつけたらしい。DEANは時々、知らないおねーさんからも、デートに誘われた。
「気がついたのね、良かった!」と、彼女はママみたいに優しく微笑んで、DEANのおでこにキスしてくれた。次の瞬間、DEANは、嬉しさと恥ずかしさと情けなさで、その日彼女が着ていたシャツみたいに、真っ赤になった。そして結局それからのDEANは、彼女とその友人たちに「ベビーちゃん」と呼ばれ、思い切り赤ちゃん扱いされることになった…。
しかも皮肉なことに、そのおかげで、DEANはますます人気者になった。ハイスクールのおねーさんとの初デートで大人ぶって、大失敗をした年下の美少年は、おねーさん達の母性本能に火をつけたらしい。DEANは時々、知らないおねーさんからも、デートに誘われた。
けれども、DEAN自身のオトコのプライドは粉々に砕け散り、ハートはズタズタのぼろ雑巾のようだった。毎日美人なおねーさんに誘われて、ジュニアハイスクールの悪ガキ同級生達には羨望のまなざしを向けられたが、DEAN本人はちっとも嬉しくなかった。
あんな醜態を晒したんだ。オトコにとっちゃあ、あるまじき醜態…。フラレたほうが、まだマシだ。そのほうが、どれほど気持ちが楽だったことか…。
DEANが、そんな失敗も仕方のないことと受けいれ、プライドとハートを立て直し、自分から女の子を誘えるようになるまでには、それから1年の時間が必要だった。
なんて名前だったっけ、あの彼女? うーん…。確か、女優の名前…。あの、『めぐり会えたら』に出てた…、笑顔がすごく可愛い女優…。そう、そうだ。メグだ。メグ・ライアンのメグ…。
DEANは、なぜかむしょうに、SAMが愛おしくなった。
そして、あの時の自分みたいな無残な失敗だけは、できればさせたくないと思った。
気がつくといつの間にか、ツェッペリンのテープは終わっていた。
この音楽が大好きなDEANも、大嫌いなSAMも、二人ともが全く気がつかなかったなんて、前代未聞のことだ。それほど、SAMのバレンタインデーの事件は、二人両方にとって、重大事だったのだ。

※「DEANの美少年ぶり」は、DEANを演じているJENSEN ACKLESが20代はじめの頃に演じていた、「ERIC ROMAN BRADY」(『DAYS OFOUR LIVES』)をイメージしながら書きました。いま、maxyのもうひとつの部屋で、その頃のJENSENのフォトを大量アップしています。
※ここまでお付き合いくださったみなさま、ありがとうございます。二人の後半は、あさって3月4日に、アップの予定です……。
4 コメント:
楽しみにしていたこちらのお部屋のお話の前半が読めて嬉しいです!あれだけの美少年ですもの・・JENSEN本人だってきっとすごくモテたんでしょうね!それなのにちっともプレイボーイな感じはしないですよね、そこも素敵♪ストーリーの中でDEANがSAMをからかう様子やそれを少し後悔してから、SAMには自分の様な失敗をさせたくないと思う心情の変化が本当に読んでいて自然で説得力がありました。うん、DEANならそうだよね、って感じです。後半はどんな展開になるんでしょうか?SAMは女の子とデートするのかな?
楽しみに待ってますね!!
またまた可愛いお話をありがとうございます。三十路を迎えて、ますますHOTなJENSENにメロメロです♪それにしてもDAY OF OUR LIVESのこの世のものとは思えない完璧な容姿には腰抜かしそうになりますね(笑)
お話のDEANもすげ~美少年なんだろうなと想像いたします。ぜったい女がほっとかないって!そして、相変わらずのSAMを愛おしく思うママぶりに思わず顔がほころんで…。
続きが楽しみです♪
mika様。
レスが遅くなり、ごめんなさい。
そうそう。JENSENって、どこかシャイでマジメな感じがして、そこがいいですよね。
私、実は、JENSENを見たお陰で、これまでの間違った先入観を改めました。本当に美しい人は、人間性も美しいのですね。その人の中身って、絶対に隠せない。必ず、どこかに出てきますから…。きっと、モテても奢らない。人を傷つけない…。中途半端な人に限って妙に……です。
JAREDという人も、JENSEN同じ雰囲気持ってて、私、J2二人のそういうところが大好きです。
ところで、続き、も少し待ってくださいね。お話が、思わぬ方向に進んでしまいました。
ちょっと、SAMが暴走中…。
もしかすると、明日のアップになるかもしれません。お許しあれ。
ke-ke様。
こんばんは。ちかごろ、Ficを書いてアップすると、ke-keさんの感想を心待ちにしている、条件反射のmaxyです(苦笑)。
兄弟、可愛いですか? 良かった!
私にとっても、自慢の兄弟です。
ただ、お話を書いていると、時々、私の頭の中の兄弟が、私の考えたお話を飛び出し、勝手に歩き始めることがあります。
今回もそういう状態で、現在修正中。
どうか、続きは、もう少し待っててくださいね。さらに、2部完結のつもりが、3部連続になってしまいそうです。
ところで、本当にJENSENという人は美少年でしたよね~。もう、うっとり…。DEANもそうだったと思うのですが、続くお話は、その美形ぶりが少し仇になります…。
コメントを投稿