2008年1月24日木曜日

Supernatural Fan Fiction DEAN’s Birthday そのⅠ :  Memories

DEAN WINCHESTERは、1979年1月24日生まれ。
今日が、29回目のお誕生日です。

20代最後のお誕生日を迎えるDEANへのお祝いにかえて、
DEANが子供の頃の、お誕生日のお話を書き始めました。

DEANが4歳になった日。MARYママのお腹の中には”弟”がいて、
ちいさなDEANは、いまから一生懸命、お兄ちゃんになろうとしているのですが…。

キョウさん(KK journal)が描いてくださった、ものすごくものすごく可愛い、
チビチビDEANも、登場します。

時間のない方は、ズズ~っとスクロール。
このチビチビDEANだけは、見て帰って下さい!




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DEAN's Birthday そのⅠ: MEMORIES


きっと、ママが、パンケーキを焼いている…。 フライパンの上で焦げかかっているバターの匂い…。ちいさなDEANは、ベッドの中でまどろみながら、その、おいしそうな匂いを吸い込んだ。 とたんに、胃袋がきゅるると泣いて、早く朝ごはんを食べようよと、DEANをせきたてた。


まだ、朝の6時だった。R2D2とC3POのが模様になっているお気に入りのパジャマを着たDEANは、まだ半分眠っていた。だが、一緒に寝ているカフェオレ色の大きなテディベアのジャレットを連れて、パンケーキの匂いに誘われるままに階段を降りた。


階下では、父親のJOHNがすでに朝食を食べ終え、ブラックコーヒーを片手に新聞のスポーツ欄を読んでいたが、自分の体の半分以上もあるぬいぐるみのベアを引きずりながら、DEANが階段を降りてきたのに気がつくと、すぐに新聞を置いて幼い息子のところに駆け寄り、縫いぐるみと息子を両方一緒に抱きあげた。


「おはよう、DEAN。昨日はどんな夢を見たんだい? 」

JOHNは、腕の中の息子にたずねた。


「きのうね、ぼく、ピッチャーになったの。あいてチームは、みんな、さんしんしたんだよ!」

まだ半分夢の中にいるDEANにとっては、その”夢” こそが現実そのものだ。JOHNも、そのことを良く知っていた。

「すごいぞ、DEAN。もうすぐ、パパのソフトボールチームでピッチャーになれるな! 今日からおまえは4歳だから…」

DEANは、目をまあるくした。どうやら、目が覚めてきたようだ。

「ぼく、きょうから、4さいなの?」

「そうだよ、DEAN。忘れたのかい? 今日はお前の誕生日だ」

「ほんと? おたんじょうび? ぼくは、きょう、うまれたの、パパ?」

「ああ、そうだ。お前は、4年前の今日、パパとママのところに来たんだよ。ハッピーバースデー、DEAN!」

「4さい、4さい、4さい、4さい! ぼくは、4さいになった!」


DEANは、マッシュルームカットの頭を上下に振りながらはしゃいだ。朝日を浴びてダークブロンドの光の糸のように見える髪が、そのリズムに合わせて揺れた。

「可愛い天才ピッチャーさん、お誕生日、おめでとう!」

そこへ、母親のMARYがやってきた。窓から差し込む光を背に、ゆるやかにカールしたブロンドの髪と花のような微笑を輝かせてキッチンを出てきた彼女は、焼きたてのパンケーキを盛ったスヌーピーの絵皿をテーブルに置くと、父親の腕からすり抜けて走り寄って来たDEANを抱きあげて、ピンク色に上気したその頬にキスをした。

「ママ、ちいさいおとうとは、げんき? ぼくのたんじょうびのこと、おとうとにも、おしえてあげる」


「そうね。ベイビーはとっても元気よ。きっとお兄ちゃんのお話を待ってるわ」

あと約3ヶ月で、WINCHESTER家にはもう一人の家族がやってくる。ドクターによれば、やって来るのはどうやら、DEANの弟らしい…。 DEANは、ふくらみが目立ち始めたMARYにお腹にキスをすると、その中に住んでいるはずの弟に向かって話しかけた。

「ちいさなおとうとくん、おはよう! きょうは、ぼくのおたんじょうびなんだよ。ぼくは、きょう、4さいになるんだ!4さいだよ!ねえ、きみはいつになったらでてくるの? ぼく、まってるの。でてきたら、キャッチャーになってほしいんだ…」

そしてDEANは、弟の返事を聞こうと、MARYのお腹に頬を寄せて耳を澄ました。


「…ママ、おとうとはまだ、おへんじができないの?」

「そうよ。まだ、ママのお腹の中にいるんですもの。あなたみたいにお話をすることはできないわ。 でも、お兄ちゃんのお話を、一生懸命聴いているわ、きっと」

MARYは、指先でやさしく、柔らかなDEANの髪をなでながら言った。

「さあ、パパのチームのピッチャーになるなら、ちゃんと朝ごはんを食べて大きくならないとね」






ホイップしたバターをのせ、メープルシロップをたっぷりかけた焼きたてのパンケーキは、ちいさなDEANの大好物だった。DEANは、小さいナイフとフォークを上手に使って自分でパンケーキを切り分けると、顎が外れるかと思うほど大きく口を開き、それらを一度に詰めこもうとした。

「DEAN、パンケーキは盗塁しないぞ。そんなに急いで捕まえなくても…」

「欲張らないで。喉につかえるわよ、ハニー」

JOHNとMARYは、パンケーキを頬張りすぎたDEANのほっぺたが、木の実を食べているシマリスのようにパンパンに膨らんでいる様子を目にして、声を揃えて笑った。

DEANは、食いしんぼうだ。好きなものを目の前にすると、次から次へと口に入れる癖がある。それは決してお行儀が良いとはいえない食べ方だし、直さなくてはいけないクセ…。確かにそうなのだが、DEANが嬉しそうに食べているその様子があまりにも可愛らしくて、JOHNとMARYはどうしても、DEANを叱ることができなかった。

一方DEANは、大マジメである。彼としては、どうしても早く、パパみたいに大きくならなくてはいけない。そのために口いっぱいパンケーキを頬張り、マグカップに注いでもらったミルクを流し込むように口にいれてそれを飲み込むと、口のまわりじゅうに白いミルクの髭をつけたままで両親に抗議した。

「だめだよ。もっといっぱいたべないと、パパみたいにおおきくなれないんだから!」


もうすぐ30代になるJOHNは、がっしりとした骨格で胸板も厚く、背丈は190センチに届いていた。いつも、ひとサイズ大きいTシャツかフランネルのシャツをゆったりと着ているのだが、捲り上げた袖からのぞく腕と首筋を見れば、彼が鍛え抜かれた身体の持ち主っであることは一目瞭然だった。

JOHNは、海兵隊に入隊したばかりの18歳で、混沌のベトナム戦争に従軍した筋金入りの兵士。歴戦のツワモノだった。いまはすでに退役し、友人達と共に車の修理工場を経営している。そして、その性格と仕事ぶりは実直そのものだった。けれども、彼のマロン色の瞳は血気盛んだが純真な少年のようで、一見いかつく無骨にみえるのだけれど、彼の醸し出している雰囲気には、いつもその胸に寄り添っていたくなるような、温かな包容力があった。

そしてJOHNは、世界中の何よりも、家族を愛していた。思いやりにあふれた美しい妻と、その妻に良く似た美しいヘイゼル色の瞳でいつも父親を見つめていて、そのすべてを真似ようとする息子こそ、彼にとって世界中で最も大切な宝物だった。そしてもちろんMARYも、誰よりも信頼できる人物であり、かつ悪戯小僧のようでもあるハンサムでチャーミングな夫を、心から愛していた。

DEANにとってのJOHNは、世界一のスーパーヒーロー。そのすべてが、憧れだった。 DEANは、パンケーキを食べ終わると同時に椅子から降りてちいさな胸を張ると、JOHNに向かって言った。

「ねえパパ、いつもみたいにして。かいへいたいみたいに、ぼくにめいれいして!」

「よし、わかった」

DEANは、父親から軍隊式に命令されるのが大好きで、じつによくその言いつけを守った。どうやら、父親から一兵士として扱われると、自分がすっかり成長した一人前の男になった気がするらしかった。

「WINCHESTER軍曹、これから、装備を点検し、着装にかかる。用意はいいか?」

「Yes sir!」

DEANは背筋を伸ばしてまっすぐに立つと、顎を少し上げ、JOHNに向かって敬礼をした。

そこにMARYが、その"装備"、DEANの着替えを持ってやって来た。

「さあ、"装備" を点検して、着替えてくださいね、ちいさな兵士さん」

「Yes sir!」

DEANは、MARYにも、海兵隊スタイルの敬礼をしてみせ、パジャマを脱いだ。MARYは、微笑みながら、DEANがお気に入りのほころびジーンズと黒いTシャツ、つまりパパとおそろいのスタイルに着替えるのを手伝った。





DEANの目の前のパンケーキは、もうすっかり冷えてしまっていた。

カフェのキッチンから漂ってくる、あの朝と同じ匂い。バターがフライパンの上で焦げかかる、あの匂いに惹かれて、DEANはここに入ってパンケーキを頼んだのだ。



ついでに、昔のことまで、思い出しちまった…。いままでは、ガキの頃のことなんか、思い出すこともなかったのに。



突然に蘇ってきた記憶のあまりの鮮明さに、DEANはとまどっていた。気持ちの収集がつきそうもない…。
ママ…。

DEANは、さっきからちらちらと彼のほうを見ている赤毛のウェイトレスにコーヒーのお替りを頼むと、冷めてしまったパンケーキにピッチャーの中のメープルシロップをすべてかけて、あの時と同じように、口いっぱいに頬ばった。

ママのパンケーキ、旨かったな。…そうか、SAMは食ったことないのか、ママのパンケーキ……。




DEANは、4歳の誕生日のプレゼントに、父親の革ジャンをもらえるはずだった。正確に言えば、もらえると思い込んでしまっていた。けれどもその夜、みんなから届けられたプレゼントをすべて開けても、あの革ジャンは入っていない。最後に、父親がくれた大きな包みを開けても…。

プレゼントをすべて開け終わっても少しも喜ばないDEANを見て、不思議に思ったMARYは尋ねた。

「DEAN、どうしたの? みんなあなたが欲しがっていたものばかりよ。ほら、インパラのミニカーも、パパが買ってくれた新しいグローブもあるのに…?」

「パパのかわじゃんがないもん…」

「パパの革ジャン?」

「そうだよ。ぼくは、パパのかわじゃんが、ほしいんだ…。ぼく、パパにいったでしょ? パパは、なんでもすきなものをあげるよ、っていったのに…」

JOHNとMARYは、顔を見合わせた。JOHNには、DEANとそんな約束をした記憶がなかった。だが、そのことは口にせずに、再びDEANに尋ねた。

「どうしてパパの革ジャンがほしいんだい?」

「……ぼくが…、ぼくが、おにいちゃんになるからだよ」

「お兄ちゃんになるから…?」

「そう。おとうとがくるまでに、ぼくは、りっぱなおにいちゃんになるんだ。それには、りっぱなおとこにならないといけないんだ!」

「そうなのかい?」

「そうだよ!」

「それとパパの革ジャンと、どういう関係があるんだ?」

DEANがあまりに真面目に「りっぱなおとこ」などと言うものだから、JOHNは思わず吹き出しそうになっていた。だが、笑い出してしまったらDEANは傷ついてしまうだろう。必死で笑いをかみ殺してから、JOHNはEANの瞳をじっと見つめて質問をした。

「…しらないの、パパ?」

「うん、パパは、知らない。何のことなのか、教えてくれるかい、DEAN?」

JONHが自分を対等に扱ってくれたので、DEANは少しだけ気を良くしていた。

「あのね、りっぱなおとこになるのはね、パパからかわじゃんもらって、それきれるようになるのがさいしょなんだ。おとこなら、みんなそうするって。パパも、おじいちゃんから、かわじゃんもらったんでしょ?」

「パパは知らなかったなぁ…。DEANは、誰に教えてもらったんだい?」

「エリックおにいちゃんが、おしえてくれたんだよ!」


5歳年上のエリック少年は、DEANに言った。

「DEAN、おまえは、弟が生まれるまでに立派なお兄ちゃんにならなきゃならない。しかも、立派なお兄ちゃんになるには、まず立派な男にならなきゃいけないんだ」

「ねえ、エリックおにいちゃん、ぼく、どうやったらりっぱなおとこになれるの?」

「まず、一週間後のお前の誕生日に、パパから革ジャンをもらう。そして、それを着れるように頑張るんだ。そしたら、立派な男になれるぞ」

DEANはエリック少年に吹き込まれ、すっかりその気になっていた。 要するに、DEANは、からかわれたのだ。

エリック少年は、まだ小学生のくせに20代の兄達と一緒に映画やコンサートを見に行く、いわゆる"マセガキ"だった。彼は、いかにも好奇心旺盛そうな目をした小柄な少年で、実際の年齢よりも少し幼く見えるのだが、いっぱしの大人のような口調で理路整然と話す。ヘタな大人なら、その早口の反論にやり込められてしまうほどの、利発な男の子だった。

DEANは、ジム牧師の日曜学校でエリック少年に面倒をみてもらっていた。普段は年少の男の子達を "オシメガキ" と呼んで嫌うエリックも、なぜかDEANのことだけは可愛がっていたので、DEANも彼のことを兄のように慕い、彼の言うことならなんでも素直に聞いた。

けれど今は、その理論家のエリック少年もここにはおらず、DEANのために父親を説得してくれる味方は誰もいない。もちろん、エリックがここにいて熱弁をふるったとしても、JOHNが、「パパから革ジャンをもらってそれを着たら、立派な一人前の男」などという根拠のない論理に同意するはずもなかった。


JOHNは、DEANとそんな約束をした覚えはないし、革ジャンは、いまの自分にとって必要なものだからDEANにあげるわけにはいかないと、言葉を選び、ゆっくりと優しく説明をした。けれどもDEANは納得しなかった。

「…パパは、ぼくになんでもくれるってやくそくしたのに、なんで、かわじゃんはダメなの? ぼくは、これがほしいのに……。パパは、くれるっていったのに…! パパなんか、パパなんか、だいきらいだ! パパのうそつき! 」

父親が決して願いを聞きいれてくれないと知るやいなや、とうとうDEANはぐずりだした。それでもJOHNは、黙ってじっとDEANを見つめていた。

ぐずっていても何の効果もない。しかし、そうとわかってもあきらめきれない幼いDEANは、熟しきったリンゴのような頬をして、本格的に泣きじゃくリ始めた。


「パパ…なんか…、だいきらいだ、…だい…きらいだ…!!!!! 」

DEANは、壊れたCDのように「パパなんか大嫌い」をくりかえした。

そのくせに、その大嫌いであるはずの父親の胸にしがみついたまま離れようとせず、しゃくりあげながら、JOHNの一番のお気に入りの深いグリーンと赤土色のチェックのシャツを、涙と鼻水でぐしょぐしょに濡らした。

……続く……




なお、今回も好みで入れた小ネタの数々については、TRIVIAの別ページでアップすることにしました。さらに、次のお話のアップ、1月26日になります。ごめんなさい! (1/25)




2 コメント:

Ke-ke さんのコメント...

Deanのバースディ・フォトーとのダブルパンチ!あまりの嬉しさに朝から悶えております(笑)Deanの子供時代の話にはどうにも涙腺が緩んでしまう私ですが、大好物です!
4歳のDeanのなんて可愛いこと!エリック少年、いいです(笑)続きが楽しみです。

maxy494 さんのコメント...

ke-ke様。
また来て下さり、ありがとうございます!
私も、DEANの子供の頃のお話が大好きなのですが、SUPERNATURALではSAMとの絡みでしか出てこないので、つい、空想妄想のアタマで書いてしまいました。
ただ、今回はあまり時間がとれず計画性もなし。本日再び読んでみたら、「ひで~!」と叫びたくなるところも…。で、新たに何箇所か書き直しました。まだ建築中の状態で読んでいただき、すみません。これ、また、推敲すると思います…。

ところで、本日は時間がとれず、続きをアップできませんでした。もう少し、待ってくださいね。
楽しみにしてくださり、本当に感謝します!